ドラマ原作大賞 インタビュー
Interview vol.04 TBS 制作局制作一部 プロデューサー松原浩

今回は、ドラマ原作大賞の選考委員、TBSテレビ 制作局制作一部 松原浩プロデューサーにお話をお聞きしました。

(取材日:2006年8月3日)

―― 普段、どういった仕事をされているのですか?


 制作一部(ドラマ部)という部署で、入社以来ディレクターとして、映像化の現場責任者という形で携わってきました。ここ2年位、音楽やバラエティー部門にいたのですが、この春にドラマ部に戻ってきて、今度はプロデューサーという立場でドラマを作っています。

―― 「ディレクター」と「プロデューサー」の違いを教えて下さい


 端的に違いを説明するのは難しいですね。
 連続ドラマの場合、大まかに言うと、「プロデューサー」「脚本家」「チーフディレクター(連続ドラマの1話を担当)」の3名がドラマの完成度を左右します。プロデューサーは、ドラマの企画を立ち上げ、企画全体の方向性を定めます。大枠を作る仕事ですよね。脚本家が脚本を書き、ディレクターは、それをディテールまで含めて映像に定着させるという役目です。台本に書かれたものを具体的に「どういうセットにするか」「どういう衣装にするか」という細かい部分まで決めていきます。ですから、この3名がドラマの大きな柱となります。僕はディレクターという立場でずっとやってきました。プロデューサーとしての経験はまだ少ないです。

―― 「シナリオ」ではなく、「ドラマ原作」を募集するという新しい試みについてどう思いますか?


 良いシナリオは、「ト書」が良いと言われます。「ト書」とは、セリフではない情景の部分です。「〜と思った」とか、「悲しかった」とか、具体的に心情を表すようなことは書かれていないのですが、「ポツンと雨が降り出した」と、ほんの1行しか書かれていない「ト書」が読み手のイマジネーションを刺激するのが良い本だと思っています。この辺りは、小説も脚本も根っこは同じだと思います。読み手のイマジネーションを喚起するというか、書いてある以上のことを感じられるのが、良い作品なのではないでしょうか。

―― ドラマ原作大賞の特徴、そして、他賞との違いは何だと思いますか?


 今回、講談社さんと一緒にやっていくということで、物語のテクニック部分はプロの編集者さんが見て下さるので、安心しています。僕が担うのは、ドラマ化するという部分ですから、この賞が、「映像原作大賞」ではなくて、「ドラマ原作大賞」と銘打っていることにすごく注目しています。このネーミングって個性的なんですよ。「映像」と一括りに言ってしまうと、「映画」も「ドラマ」も含まれますよね。でも、そうではなくて、「ドラマ」に最適な作品を、という視点で臨んでいます。では、ドラマに最適なものは何かというと、「会話」の面白さにあると思います。2時間一言もしゃべらなくて、突如何かの恐怖が訪れるホラー、といったものは、映画でもドラマでもできますが、どちらかと言うと映画に向いていると思うんです。そうではなくて、会話が生き生きしているもの、そういった作品に注目していきたいですね。

―― ドラマに限らず、原作があるものが映像化されることが多くなっていますが、今回の賞に期待することは何ですか?


 僕は、原作があるものをあまり手掛けたことがないんです。テレビドラマに関わる人間が原作に期待することは、良い作品であることはもちろんですが、「知名度」も大きなポイントだったりするんです。ある程度、世に認知されている作品だとキャスティングにもプラスに働くことがあるんです。ただ、今回それはほとんどないですよね。ですから、実は今回は「原作をドラマ化する」という気持ちは持っていないんです。原作大賞と言いつつも、すごく「オリジナル」なものを世に出す機会だと思っています。僕自身、オリジナルの良い作品に出逢いたいという思いが強いので、応募作品の中に「どんな面白い物語があるの?」という期待をしていますね。
 新しい才能との出会いにも期待しています。この思いは、他の人よりも強いかもしれません。僕はこの春にプロデューサーとしてドラマ部に戻ってきたので、これを機に新しい才能を世に出していきたいと思っているんです。

今回の選考のポイント

 ドラマ化を意識して読むと、やはり会話のやりとりの面白さ、そして、出てくる人物のキャラクターがポイントになってくると思います。例えば、連続ドラマだと11回分の話を作るのですが、登場人物が魅力的だとストーリーは後から付いてきます。僕はドラマの作り手として、「会話」と「キャラクター作り」という2つのポイントを中心に読むことになると思います。

応募を考えている方に一言!

 テレビドラマの現場は、皆さんが想像している以上に、新しい才能を探しています。常に新しい物語を生み出していく「戦場」のようなところですから、新しく戦力になる人には門戸を開いています。外から見ると、すごく閉じられた空間で、限られた人たちの中だけで作られていると思われがちですが、そんなことはありません。特に物語を作る作家さんなど、新しい才能を常に探している現場なのです。皆さんが想像しているよりも、現場ははるかに困っています!? ですから、恐れることなくチャレンジして下さい!


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