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今回は特別企画として、「シナリオ・センター」で開催された説明会の模様をお届けします! (取材日:2006年8月3日) |
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国兼:僕たちは新しい書き手を求めています。まだ、小説を書いたことのない人に新しいものを書いてもらいたいと思っています。講談社では、「江戸川乱歩賞」や「小説現代新人賞」などで新人作家を発掘していますが、その他に、異業種の方に小説を書いてもらうということにもチャレンジしています。個人的に興味を持って実践しているのが、脚本家が小説を書くということです。脚本家の中に新しい小説の書き方を持っている人がいるのではないか、という想いがあります。そんな時にTBSと一緒に何かやらないかという話があって、これは良いチャンスだと思いましたね。 鈴木:今のTBSの現状を言いますと、新人の方が連続ドラマの脚本を担当するということは極めて少ないです。編成に企画を通す時に、誰が書くのかで決まったり、キャスティングの時も「○○さんが書くのであれば出ます」ということもあります。はっきり言って新人の方がいきなり書くのは難しいという状況です。ただ、今回は、新人の方が原作を書いて、それが必ずドラマ化され、放送されるという賞ですから、皆さんにとっても作品を発表する良い機会になると思います。しかも、講談社の編集者、TBSのプロデューサーがしっかりと読みますので、大賞に選ばれなかったとしても、「このセリフの感じが面白いよね」など、興味のある作品があれば、個人的に編集者やプロデューサーから連絡がいくこともありますので、是非ご投稿頂きたいと思っています。 吉田:この賞の名前を考えた時に、敢えて「文学賞」という言葉を外しました。小説家になりたい人はもちろんですが、手法としては稚拙であったり、未熟かもしれないけれど、表現者としてキラリと光るものがある人に書いてもらいたいですね。文学者ではなく、クリエイターや表現者として、良い作品を書いて欲しいと思ったので、「文学賞」という言葉を外したんです。ですから、テクニックではなく、感性で思わず「おぉ!」と唸ってしまうような作品がたくさん集まったら良いなと思っています。 河原:僕が「ドラマ原作大賞」で一番期待しているのは、皆さんの「伝えたいこと」を表現してもらうことですね。クリエイティブなことをしている人には必ず「伝えたいこと」があると思います。そういったものをぶつけてもらいたいというのが、僕の気持ちですね。 |
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―― 選考のポイントは?
鈴木:私はドラマの企画書を作る時に、人物の設定から書き始めます。主人公だと、3〜4枚位になります。登場人物のキャラクターを思い浮かべて、出身地とか細かいところまで並べていくと、その人物が勝手に動き始めるんですね。そうすると、エピソードやストーリーが思い浮かんできます。細かい「てにをは」ではなく、キャラクター重視だと面白いものになると思います。それと、基本的にセリフがすごく大事ですね。 吉田:小説として面白いというものは、読んでいるうちにイマジネーションが掻き立てられるものだと思います。ラストにドンデン返しがあるとか、予定調和的に終わるとか、そういうことではなくて、いい意味で読み手の想像が拡がっていくようなストーリーは、読んでいて面白いなと思います。 河原:情景が浮かびやすいものだと思いますね。そして、この人は「何が言いたいのだろう」ということがわかりやすいものが良いと思います。小説というと非常に難しく考えがちですが、万人が読む物ですから、言葉遣いなどはわかりやすい方が良いですね。昔、新人賞を受賞した20歳代の方の小説になぜか「刮目する」とか「瞑目する」といった言葉が使われていたんです。普段使わないのに構えてしまってそう書いたんだと思います。僕はそれを「目を開いた」「目を閉じた」と直しました。わかりやすいことが大事ですから、そういったことにも気を付けてもらえると良いですね。 国兼:そもそも小説って、難しい言い回しを求めていないんです。これはすごく勘違いされていることなのですが、他の賞でも文学的なものは求めていないんですね。ですから、選考に携わる時に文章の巧さは見ないと思います。そんなことが大事ではないということは、僕らが一番身に染みて分かっていますから。それと、小説だからといって、「人間の暗部を書こう」と思ってしまうとつまらなくなる気がしますね。むしろ、明るい部分を書いていたら、対比として暗い部分も見えてくるような感じが良いのではないでしょうか? 僕個人としては、あまり嫌な部分が書かれたものは、今回は読みたくないですね。どうでしょう? 鈴木:国兼さんが携わっているのがエンタテインメント小説だということが、「ドラマ原作大賞」に一番通じるところだと思います。私も同じ意見です。これは一つのアイデアなのですが、私がドラマを作っていて詰まった時に、自分を切り売りしろと言われるんですね。自分の人生経験をそのまま描いてしまったら面白くない人でも、そこからヒントを得て、辛かったことを笑い飛ばしてみようよ、みたいな感じで書くと良いかもしれませんね。私はこれほどまでに辛かったのよ、というのを『おしん』みたいにして描くのは、橋田壽賀子先生位に魅力のある人でないと無理だと思いますが、皆さんの身近なちょっとしたこと、多分、楽しいことより辛いことの方がドラマになりやすいと思います。そこをあっけらかんと表現してみるといいかもしれませんね。 |
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河原:自分が経験したことをそのまま書くのではなくて、その時の「想い」を書いて欲しいですね。まずは、そこから考えて、それを伝えるにはどうすればいいかを考えると良いのではないでしょうか。伝えるものがないと書けないと思うので、そこを消化していくというのが第一ですよね。実質的なことは、後でどうにでもなることですから。それと、ドラマになることを考えれば、突拍子もないことはできないのではないかと思います。国内で普通に撮影できれば良いんじゃないですかね?(笑) 鈴木:確かに、映像化するのに時間とお金の掛かるものは難しいですね。CGとか、ガンガン使えないので、日常の話の中から面白い物語が展開していくような、そういった一発アイデアものが良いかもしれないですね。あと、“ウケ”を狙って自分が興味ないものを書いてもダメですね。自分が興味あるもの、但し、それは独りよがりではダメなので、共有できる人のことを考えて書くと良いかもしれません。 国兼:迷ったらストーリーを人に言うことですね。2〜3秒くらいでそれが面白いか否かがわかりますよ。自分の家族や友人に話してみて、「へー!」って言われたら「これはいけるかも」、「ふーん……」とか反応が悪かったら「どこか悪いのかな?」と思ってみるのがいいですね。補足になりますが、今まで様々な文学賞の選考委員をやっていて、大賞を取る作品は、どれも行間や文字間が読みやすいですね。きれいにすれば良く見えるというのではなく、「書ける人」というのは、そこまで気を遣えるということなんです。今からでも遅くないので、読みやすいレイアウトを考えると良いと思いますよ。そういうところまで気を遣う人は、読ませたい欲望が強いんだと思います。 |
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(質疑応答) |
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国兼:僕自身、本気で本を売りたいと思っています。ショートショートを否定するつもりはないのですが、やはり売れるものを作るという視点で選考すると、小説の方が良いのではないかと思いますね。 ―― 時代劇はダメなんですか? 鈴木:ドラマ的に言うと、時代劇は、時間とお金がものすごく掛かってしまいます。絶対ダメということはないですが、映像化はなかなか難しいかなと思います。でも、ストーリー展開が面白ければ、大賞を取れなかったとしても小説になるかもしれませんよね。 ―― 最後に一言お願いします! 河原:頑張って下さいとしか言えないのですが……。本当に頑張って下さい! 原稿待っています。 国兼:残り2ヶ月位ですね。大変だとは思いますが、不可能ではないと思います。頑張ってトライして下さい。 鈴木:いつも新しい才能を探しています。今回が、皆さんと触れ合う良い機会だと思っています。大賞を取れなくても、何らかのコンタクトを取る可能性が高いので、これを機会に頑張って欲しいですね。 吉田:目指せ、夢の印税生活!! 参加者:おぉ!!(笑いとどよめき) |
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