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―現在のお仕事についてお聞かせ下さい。
文芸単行本の編集者として、作家さんの作品作りに協力しています。具体的には、原稿やゲラ段階での打ち合わせ、タイトル決め、カバーや帯についてのデザイナーさんとのやりとりなどの書籍完成までの各業務はもちろん、刊行に際して各部署と宣伝・販売方法を相談したり、プロモーションや作品の二次使用等について、作家さんの窓口になり、調整や交渉なども行っています。
ちなみに昨年手掛けた作品には、すでに「ハゲタカ」でお馴染みの真山仁さん「レッドゾーン」や新進気鋭の百田尚樹さん「風の中のマリア」、小説の本ではありませんが、浅田次郎さんの「蒼穹の昴」を原作にしたドラマの公式ガイドブックなどがあります。
―今回、選考委員として「ドラマ原作大賞」プロジェクトに参加された感想をお聞かせ下さい。
最近、映像と出版とが、より一層緊密な関係になってきている中で、今回のこのプロジェクトでもひとつの作品を本(読む)、ドラマ(観る)、ラジオ(聴く)という複数のメディアで、表現していくところに面白さと可能性を感じています。
私自身もドラマのプロデューサーや多数の関係者との仕事を通じて、作品作りにいろいろな手段・視点があることを実感し、刺激を受けて、モチベーションも高まっています。もちろん他のメディアに負けないような作品を作らねばという適度なプレッシャーもありますが。
―受賞作である『記憶の海』に関する感想をお聞かせ下さい。
これまでにも、いくつかの文学賞の下選考に関わってきましたが、この「ドラマ原作大賞」に寄せられた作品には、バラエティに富んだユニークなものが多かった印象がありますね。
そうした中で私は “オリジナリティがあるか”また“小説として面白いか”という観点で選考しました。
受賞作は、まず、[人間の記憶をコンピュータに保存する」という出発点のアイデアが良かったですね。さらに、連作形式でありながら、主人公とヒロインの物語がしっかりと全体を貫いているという構成も良かったと思います。
―小林さんにとって“良い小説”とは?
「読み終わった後に人に勧めたくなるような小説」ですね。
仕事を進める上で、私はエンターテインメントに徹した本を作りたいと思っています。自分が楽しんで読み終えた本のことは、誰かに話したくなるでしょう。
作品作りに関わっている最中は、 “読者としてこの作品が楽しめているかどうか”と自問自答しながら作っています。
―もうすぐ受賞作が完成するとお聞きしましたが。
受賞者である松田さんとは、これまでも入念な打ち合わせを重ね、書き直しもお願いしました(笑)。また作品の完成度を高めるための追加取材にも一緒に行きました。
編集者とのやりとりや数度にわたる書き直しなど、初めて経験することも多いと思いますが、松田さんには、ここまでよく頑張っていただいています。
そして原稿は最終段階にまでたどり着いています。本として発売するまでにはまだまだやらなければならないこともたくさんありますが、面白い小説になっていると思いますので、是非期待して下さい!
―第3回の募集が開始されましたが、これから小説家を目指す方へのメッセージをお願いします。
とにかく“書き続ける”ことですね。
書きたいと思っている人はたくさんいますが、いざ書いてみるとまず最後まで書くのが大変です。
また、ひとつの作品を書き終えたからといって満足せず、どんどん書き続けること。これが唯一の道だと思います。
自分の作品が世の中に出る瞬間はやっぱりうれしいものです。出版業界は今本が売れにくく大変な時代ですが、盛り上げて頂ける方と一緒に仕事がしたいですね。
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